
cover image by yui
想像してみてください。朝露に濡れた山岳に光が照らされる瞬間を。
壮大な山々は、忘れられないような美しい景色を魅せてくれます。今回は「山」と「空」の二つの自然を活かして、どのように山の風景を際立たせるかに焦点を当て、撮影技術のヒントとインスピレーションを提供します。
山を主題にする撮影技術
山を撮影する際には、山そのものの美しさ、力強さ、そしてその変化に焦点を当ててください。山頂のように視界が広く、光がクリアに照らされる場所では、山の形状、色彩、そしてその質感を活かした撮影に挑戦してみましょう。
特に、夕刻の時期には、低い位置の太陽が山の稜線や斜面に長い影を作り出し、これが景色に深みを加えます。山を主題にする際は、以下の点に注意してください。
稜線の位置の選択
稜線を画面の上方に配置し、山の壮大さと迫力を表現します。これにより、視覚的に山が画面を満たすようになります。

Image by fumi
色彩のグラデーション
標高に応じた異なる色彩を捉えることで、山の多様性を際立たせます。例えば、秋の終わりには、落葉が進んだ後の赤錆色が特に印象的です。季節感を意識した時間帯を選んでみましょう。例えば夏は夕暮れの透き通った夕日を、秋には午後の日差しで色づく紅葉を、冬は早朝の新雪を背景に撮影すると、その時期ならではの美しい写真が撮れます。

Image by ATSUSHI HIRANO
影の効果的な活用
手前の山影を暗くすることで、背後の明るい雲がより一層際立ちます。これは視覚的なコントラストを生み出し、写真に奥行きを与える効果があります。

Image by ATSUSHI HIRANO
空に焦点を当てる
空を主題にする場合、雲の動きや光の変化を魅せる鍵となります。夜明け前などは、空が劇的な変化を遂げる瞬間を捉える絶好のチャンスです。空を主題にした写真では、以下の技術が効果的です。
光のグラデーションを活かす
日の出前の空は、光の濃淡が非常に美しく、これを活かすことで画像に深みと感動を与えます。雲が光を反射し、さまざまな色彩を映し出す様子は、晴れた青空よりも遥かに魅力的です。

Image by tamu1500
主題としての空を広く捉える
空全体をフレームに収め、山はシルエットとして配することで、空の壮大さを強調します。これにより、視覚的に空が広く涼しい印象を与えることができます。

Image by kenstock
山のシルエットの利用する
山のシルエットを利用することで、空の色彩や光のグラデーションが一層際立ちます。山のシルエットは画面のバランスを取るためにも機能します。

Image by crossroad0201
今回は、「山」と「空」の二つの要素のバランスを意識して、ドラマティックな景色を捉える術に触れました。これらの技術を活かして、あなたならではの視点で自然の美しさを捉え、忘れられない登山の記憶を写真に残してください。
cizucu主宰フォトコンテスト『Mountain Mystery』が開催中
現在cizucuでは2024年4月20日(土) 〜 2024年5月19日(日)〈山の神秘〉をテーマにしたフォトコンテスト『Mountain Mystery』を開催しています。山に登りたいあなた、今回のマガジンを通して得たインスピレーションをぜひコンテストを通して表現してみてください!