はじめに
『Still Life』は、cizucuが主宰する、cizucuに登録するクリエイターであれば誰でも応募できるグローバルなオンラインフォトコンテスト。応募作品の中から優れた作品をキュレーションし、プラットフォームとしての新たな才能の発掘、そして、コミュニティとしての支援を目的としています。
今回のテーマは、〈静物写真〉でした。
動かない対象を前にカメラを構えるとき、その沈黙の中に宿っていた、時間や気配が浮かび上がってくることがあります。
ものは言葉を持たなくても、佇まいや質感、光を通して、確かに何かを語っています。
それは、誰かの暮らしに寄り添う器や本だったかもしれません。あるいは、岩や貝殻、木のように、自然界の時間が刻まれた存在だったかもしれません。
静物写真とは、動かないものを見つめることで、その奥にある物語に触れようとする表現です。
みなさんが見つめた確かなその存在が、作品として寄せられました。
それでは、応募作品と受賞作品をご紹介いたします。
応募作品

Photo by Michael
Michael
📷 Nikon ZR
cizucu編集部
装飾されたショッピングカートは、一体何に使われたのでしょうか。普段、道具として使われているものが、派手に着飾り用途の分からないまま街角に置かれていることで、使われる前なのか後なのか、そして誰かを待っているのか、見る者に解釈の余地を残しています。

Photo by Gino Cittadini
Gino Cittadini
📷 FUJIFILM X-E4
cizucu編集部
この錆びた南京錠は、鍵としての役割よりも、潮風や時間を受け止めてきた証人のように映りました。背景の深い青緑が余白となり、金属の傷や錆の色を際立たせています。誰かがここに残した意志や約束の名残まで、伝わってくるようでした。

Photo by 服部まいこ
服部まいこ
cizucu編集部
壁に掛けられた富士の絵、年季の入った棚、丁寧に手入れされた花と花瓶。そこに写る一つひとつのものから、この場所で過ごされた時間や、行き交ってきた人の人となりがじんわりと滲み出てくるようです。ものの佇まいを通して、暮らしの記憶に触れているような一枚でした。
受賞作品

Photo by Yishih
Yishih
「曾承載難民跨越邊境,這艘月亮船現已歸於平靜。在 Cox's Bazar 的夕照中,它宛如一座沈思的雕塑,無聲地記錄著生存的重量與流離的記憶。」
📷 Apple iPhone 13
cizucu編集部
大きな舟を左に寄せた構成によって、視線は自然と右奥の砂浜や海へと流れていきます。主体である舟の存在感を受け止めながら、その背後に広がる場所の時間へ想いを馳せられる作品でした。砂に刻まれた痕跡や遠くの小舟まで含めて、この土地と船に積み重なってきた歴史が立ち上がってくるようです。

Photo by kay
kay
「memory of island」
cizucu編集部
氷がただ浜辺に置かれているというより、海から切り離された時間そのもののように見えました。透明な塊の中に閉じ込められた光と、背後に広がる水平線が呼応し、静けさの中に長い旅の余韻を感じます。溶けて消えていく存在だからこそ、この一瞬の重みが際立っていました。
最後に
いかがでしたでしょうか。
動かないものを見つめることで、その奥に流れていた時間や、静かに佇む存在の気配が浮かび上がってきたように感じます。
ぜひ、それぞれの静物に宿る物語を、ゆっくりと味わっていただければ幸いです。


