MAGAZINE

cizucu主宰『Between Light & Shadow』受賞発表 | Challenge #367

By cizucu ·

cizucu主宰『Between Light & Shadow』受賞発表 | Challenge #367

Cover photo by min hwan kim

はじめに

『Between Light & Shadow』は、cizucuが主宰する、cizucuに登録するクリエイターであれば誰でも応募できるグローバルなオンラインフォトコンテスト。応募作品の中から優れた作品をキュレーションし、プラットフォームとしての新たな才能の発掘、そして、コミュニティとしての支援を目的としています。

今回のテーマは、〈モノクロ〉でした。

色彩を手放したモノクロームだからこそ、光と影の輪郭や質感、そしてそこに漂う空気までもが、より深く浮かび上がります。

強いコントラストの中に宿る緊張感、淡いグラデーションの中に残る余韻。
陰影の境界や余白の静けさは、写真の中に確かな手触りとして刻まれていく。

今回集まった作品は、濃淡のコントラストや陰影のリズム、余白の静けさなど、モノクロならではの表現が宿っていました。

それでは、応募作品と受賞作品をご紹介いたします。

応募作品

2026-05-between-light-shadow-award-image-6

Photo by Jh.wu719

Jh.wu719
Ready to start.

cizucu編集部
円形のフレーミングが視界をぎゅっと絞り込み、街の断片を“覗き込む体験”へと変換した巧みな構図です。穴の内側に走る横断歩道のストライプと、中央のポールの垂直線が静かな緊張をつくり、そこに人物の一歩が加わることで物語が立ち上がります。強い白黒の対比はグラフィカルでありながら、影の厚みが温度感も残しています。日常の移動を、印象的な記号として焼き付けた一枚です。

2026-05-between-light-shadow-award-image-8

Photo by Lawrence Liou

Lawrence Liou
Natural playgrounds of the local kids in a small village on the southeastern side of Guam.

cizucu編集部
宙に浮く一瞬の身体が、水平線と水面の静けさに対して鮮やかなアクセントになり、時間が止まったような余韻を残す一枚です。左の構造物の重さ、岩場のざらつき、そして遠くへ抜ける空の明るさが、画面の中で心地よいバランスをつくっています。人物のシルエットは最小限の情報で、見る側に“飛ぶ理由”まで想像させる強さがあります。日常の遊びが、記憶の原風景として刻まれる表現が見事です。

2026-05-between-light-shadow-award-image-10

Photo by iNo

iNo

📷 SONY α7R II

cizucu編集部
白飛びと黒つぶれの際どい境界で、人の流れだけを記号のように浮かび上がらせた大胆なモノクロ表現が光ります。主役を正面から語らず、背中のシルエットと周囲の影を重ねることで、街のざわめきや湿度まで想像させるのが見事です。輪郭が溶ける瞬間と、エッジが立つ瞬間のリズムが心地よく、視線が奥へ奥へと引き込まれていきます。日常の一場面を、抽象へと跳躍させた一枚です。

受賞作品

2026-05-between-light-shadow-award-image-13

Photo by Kevin Fan

Kevin Fan
Refuelling

cizucu編集部
低い視点から捉えられた馬の輪郭が、空の余白に向かって力強くせり上がり、画面全体に圧倒的なスケール感を生んでいます。前景の草の粒立ちから鼻先の湿り気まで、モノクロの階調が触れられそうな質感として立ち上がっているのも印象的です。光は白く抜け、影は深く沈み、静けさの中に確かな生命の息づかいが残ります。見上げるような構図が“今ここ”の臨場感を際立たせた一枚です。

2026-05-between-light-shadow-award-image-15

Photo by min hwan kim

min hwan kim

cizucu編集部
霧が光をやわらかく拡散し、ガソリンスタンドの照明だけが白い滲みとなって浮かび上がる。その「見えなさ」を主役に据えた一枚です。路面の反射と走行ラインが静かに奥行きを導き、左手の樹影や遠景の点光が夜の気配を丁寧に補ってる。黒は沈みすぎず、白は眩しすぎない絶妙な階調で、冷たい空気の密度まで伝わってきます。日常の風景が、まるで物語の舞台へと変わる瞬間を鮮やかに捉えているようです。

最後に

いかがでしたでしょうか。

今回の応募作品からは、モノクロだからこそ立ち上がる質感や余白、そして光と影の間に漂う物語が、さまざまなかたちで感じ取れました。
どの一枚にもクリエイターならではの視点と挑戦があり、強いコントラストが生む緊張感、霧や反射がつくる曖昧な輪郭、日常の一瞬を抽象へ押し上げる大胆さなど、テーマの広がりを改めて教えてくれています。

次回のフォトコンテストも、ぜひお楽しみにお待ちください。

編集部のおすすめ