はじめに
『Structure and Chaos』は、cizucuが主宰する、cizucuに登録するクリエイターであれば誰でも応募できるグローバルなオンラインフォトコンテスト。応募作品の中から優れた作品をキュレーションし、プラットフォームとしての新たな才能の発掘、そして、コミュニティとしての支援を目的としています。
今回のテーマは、〈写真における秩序〉でした。
この秩序のある世界は、私たちに調和のとれた美しさとして認識されます。私たちは無意識的に、整然としたもの、規則的なものに心地よさを感じ、それを「美しい」と捉えがちです。
一方で、その秩序が乱れると、そこに視線は釘付けとなり、時にノイズや違和感となります。しかし、その「乱れ」が持つ力を逆手に取り、違和感を活用した表現や、そこに強いメッセージを込める作品もまた数多く存在します。
秩序ある美しさを追求するのか、それとも秩序の乱れにあるメッセージに注目するのか。
それでは、応募作品と受賞作品をご紹介いたします。
応募作品

Photo by Yosuke0312
Yosuke0312
You don’t have to see the whole staircase.
cizucu編集部
長く伸びた階段を捉えた一枚。果てしなく続く階段が、画面を支配する圧倒的な秩序を生み出しています。そこにポツリといる白い傘の人物が「アクセント」として機能しています。幾何学的なパターンの中に異質な要素を置くことで、無機質な秩序の中に物語性が生まれ、前後のストーリーを想像してしまいます。

Photo by Leo Ishuzuka
Leo Ishuzuka
📷 CANON EOS R5
cizucu編集部
夜の幹線道路一面に並んだ黄色のタクシーを捉えた一枚。高い位置から撮影されていることで、車の屋根のライトが等間隔に並ぶ光の粒ようで、規則的で整えられた美しさも感じます。日常の渋滞や行列も、高い位置から「色」と「形」を意識して切り取ることで、無秩序な日常が抽象的なアートへと昇華されることを教えてくれる一枚です。
受賞作品

Photo by zuushimmy
zuushimmy
室外機の聖地らしいです。
📷 Leica M10
cizucu編集部
集合住宅の様子を捉えた一枚。集合住宅の窓枠とエアコンの室外機が同じ間隔で並んでおり、巨大な格子のようにも見えます。その秩序の枠組みの中で、窓ごとのカーテンの色や干された洗濯物に、住人の個性が垣間見えています。これらが秩序の中の乱れとして現れており、この乱れによってこの作品に人の温かみとストーリーを想像する余白が生まれ、味わい深い一枚になっているのではないでしょうか。

Photo by sumi
sumi
〇〇〇〇〇
隙間にまんまる!
cizucu編集部
サイズが異なる円形のパイプが密集しているところを捉えた一枚。第一印象は「複雑な模様による混沌」だったものの、よく見ると全て幾何学的な「円」で構成されており、だんだんと秩序を持った模様にも見えてくるようでした。合わせて、モノクロームの表現が色彩のノイズを排除し、「円」という形状そのものの強さを際立たせています。先ほどの1枚とは異なり、秩序の集まりによって生まれる混沌もあるのだと新鮮な気づきを与えてくれた一枚でした。
最後に
いかがでしたでしょうか。
都市風景などに多くみられる幾何学的なデザインの物体を撮影すると、そこには無機質で整えられた美しさがあります。
一方で、人々の生活により近いものや動物、自然などを撮影すると、その時々に見せてくれる美しさや前後に生まれるストーリーによる表現の幅が広がります。
クリエイターの皆さまは普段どちらの要素に惹かれ、どのような被写体を選ぶことが多いでしょうか。この機会に自分の感性や表現における引き出しを確認してみてはいかがでしょうか。
今回、紹介した作品以外にも素敵な作品が多く投稿されたコンテストとなりました。ぜひ、一度応募作品を覗いてみてください。
きっと、新しいインスピレーションが生まれてくるはずです!


