はじめに
『One Block, Enough』は、cizucuが主宰する、cizucuに登録するクリエイターであれば誰でも応募できるグローバルなオンラインフォトコンテスト。応募作品の中から優れた作品をキュレーションし、プラットフォームとしての新たな才能の発掘、そして、コミュニティとしての支援を目的としています。
今回のテーマは 、〈半径100mの生活圏〉でした。
かの写真家、ソール・ライターは言いました。
「どこかへ出かける必要はない。写真は、自分のアパートの中にも見つかる」
彼が撮り続けたのは、自宅のあるニューヨーク・イーストヴィレッジのわずか数ブロック。
ほんの一角、歩けば数十秒、1ブロック(約100メートル)の距離のなかに、 季節や光、人の気配を見出しました。
通い慣れた道や、窓の外に広がる景色のなかに、 あなたの“世界”をもう一度見つめ直してみてください。 遠くへ行かなくても、世界はそこにある。
今回は、半径100メートルの小さな日常から、皆さんの「捉える力」が写し出された作品を募集いたしました。
それでは、応募作品と受賞作品をご紹介いたします。
応募作品

Photo by 澁谷葵
澁谷葵
「徒歩0m、日常がすぐそこに」
📷 LEICA Q (Typ 116)
cizucu編集部
段ボールの顔をかぶった小さな身体が、部屋の中心で「今日の自分」を演じているように見えました。幼い身体で「こう在りたい」を試着しているようで、その小さな実験に真剣さをも感じます。この変身は逃避ではなく、世界に触れた自分が少しずつ形を増やしていく過程。大人にも続く衝動の原風景を見ました。

Photo by zuushimmy
zuushimmy
「生活に馴染んでる薔薇が気取っていなくて好きです。」
cizucu編集部
ガラスブロックの前で、赤い薔薇だけが体温を持って立っているようでした。自転車のかごや鉢の土から、人の生活圏と手入れの時間が滲んでいます。私はここに、どこかの誰かの優しさを注いだ痕跡を感じました。

Photo by takaomikim
takaomikim
📷 FUJIFILM SP-3000
cizucu編集部
対象への距離感から、街と女性を「同じ地面の上」に置いているように見えました。主役に寄り切らず、建物や空の広さも同じ重さで写っている。互いが互いを「ここにいていい」と許している感じ。それは「この街にはこの人がいる」という相互の存在確認のようです。
受賞作品

Photo by FUYU
FUYU
「私のアパートにおばあちゃんがきた時」
📷 APPLE iPhone 14
cizucu編集部
あなたの趣向が並ぶ「あなたの部屋」に、おばあさまが一緒に写っていることで、そこで過ごした時間や交わした会話、あなたとの関係が、この写真の輪郭を作り出し、立ち上がってくるようです。日常の延長のようにも感じますし、何か特別な出来事であったようにも感じます。

Photo by Hakuun Shisui
Hakuun Shisui
cizucu編集部
その小さな葉っぱは、燃えるような赤の壁と錆や傷が積もった青の境目から、力強く突き出しています。それは、抑圧からの反抗と、空に伸びていくであろう粘り強い意思をもった、そんな希望のようなものが同居しているように思えました。これは、静かな反発であり、確かな芽吹き かもしれません。
最後に
いかがでしたでしょうか。
半径100mという小さな生活圏のなかにも、季節の移ろい、誰かの優しさ、心の揺れや意思が確かに息づいていることを、皆さまの作品が気づかせてくれました。
これからも足もとの日常に目を澄ませながら、次回の開催でまたお会いできることを楽しみにしています。


