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2025.07.25

「写真的であること」が“リアル”を保証しない矛盾 | Knowledge #305

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Cover photo by Tenzen Hiraoka

「写真=真実」という等式は、すでに過去のものかもしれません。スマートフォンのAI補正や編集アプリが当たり前になった今、写真的なリアリティと実際のリアルとのズレが広がっています。

今回は、現代の写真表現に潜む矛盾を掘り下げながら、そこから生まれる創造的な可能性について考察します。

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Photo by 雪杜エリ|Eri Yukimori

フィルター越しの現実が、現実を超える

「映える」ことが優先されるSNS時代において、写真は記録よりも演出へと役割を変えつつあります。構図、色味、加工、どれもが「現実以上のリアル」を作り出す手段となり、本来の風景や空気感とは別の世界が立ち上がります。

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Photo by urapon / Ryoga Urata

それでも私たちはそこに「リアル」を感じてしまうのです。

「真実らしさ」をつくる技術と美学

現代の写真表現において重要なのは、いかに「リアルっぽく」見せるかという技術と美的感覚です。シャドウの落とし方、ボケの質感、光の方向まで、「らしさ」を演出する要素は無数にあります。

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Photo by Takezo

こうした要素を意識的に操作することで、被写体の内面やストーリーまで表現することが可能になります。

写真が問いかける「見たい世界」

写真は、見えた世界を記録するだけでなく、「どう見たいか」を問うメディアでもあります。スマホでもカメラでも、意識的な撮影を重ねることで、自分自身が何に惹かれ、どんな視点を持っているのかが明らかになります。

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Photo by MATCHA

リアルを写すことの意味を再考することで、より創造的な写真体験が広がっていくでしょう。

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