cizucu主宰『Perfectly Imperfect』受賞発表 | Challenge #226

『Perfectly Imperfect』は、cizucuが主宰する、cizucuに登録するクリエイターであれば誰でも応募できるグローバルなオンラインフォトコンテスト。応募作品の中から優れた作品をキュレーションし、プラットフォームとしての新たな才能の発掘、そして、コミュニティとしての支援を目的としています。

今回のテーマは、〈不完全な美しさ〉でした。

少し歪んだ形、ピントの合っていない瞬間。
そんな欠けているものに、ふと心が動くことはありませんか？

思い通りに撮れなかったはずの一枚に、なぜか強く惹かれる。構図からはみ出した誰かの笑顔が、妙にリアルで愛おしい。ありのまま、未完成、でもそこにある“何か”が、確かに美しい。

今回は、そんな完璧でない・完全でないからこそ美しいと感じた瞬間を、写真を通して共有していただきました。

それでは、応募作品と受賞作品をご紹介いたします。

佐藤 勇人
朝露

📷 NIKON Z7II

cizucu編集部
至近距離で捉えた朝露が、眩い光の粒となって写真全体を包み込んでいます。ピントの外れた世界が、かえって幻想的な風景を描き出してくれている一枚です。草花の輪郭に沿ってきらめく雫が、繊細な美しさを添え、みるほどに心が洗われるような作品に仕上がっています。

mumei ksm

📷 FUJIFILM SP-3000

cizucu編集部
浮き輪を抱えて駆け出す子どもの姿からは、泳ぎに向かう無垢な高揚感が生き生きと伝わってきます。モノクロでありながら、濡れた地面が、雨上がりの喜びまでもを想像させてくれます。完璧に整っていないからこそ、記憶の中の情景のように温かく、鮮明に心に残り続けるような一枚です。

リンタロー
ハーフサイズカメラで撮影しました。2枚1組となる特性のカメラですが、フィルムが切れてしまい続きは記憶の中となりました。

cizucu編集部
本来ならもう一枚、隣に並んでいたはずの写真。そこにはどんな光景が写っていたのでしょうか。撮影者とそこに写る二人の記憶の中にだけ刻まれたその一瞬は、形に残らなかったからこそ、美しく、そして尊く感じられます。フィルム写真ならではの不完全さが魅力的な作品です。

侑奈
kirakira

📷 OLYMPUS E-M1 MarkII

cizucu編集部
雲ひとつない空、ノースリーブの後ろ姿、太陽の光を浴びてきらめく水しぶき。耳まで届きそうな笑い声、焼けたアスファルトの匂い、水がはじける音、写っていないけれど確かにそこにあった夏が、この一枚から溢れ出すようです。全てを写しきらないからこそ、みる人の記憶や想像と結びつき、自分の思い出の断片のように思えてくる、そんな作品です。

sho sato
友人

📷 FUJIFILM X10

cizucu編集部
きっと、目に映った景色をそのまま切り取ったのでしょう。お世辞にも綺麗とは言えない机の上と、無防備に眠る背中。けれど、そんな飾らない光景こそが、永遠に続いてほしいと思えるほど、大切な思い出になるのだと思います。友人との距離の近さと温もりが伝わってくる、なんとも愛おしい一枚です。

いかがでしたでしょうか。

皆さんの作品はどれも、それぞれの魅力と美しさがありました。人は誰しも完璧ではありません。だからこそ、写真もまた、どこか不完全なところにこそ、人の心を動かす力があるのかもしれません。

今回もたくさんのご応募ありがとうございました。
次のフォトコンテストでも、皆さまの作品を楽しみにしています！