

まだ、夜は明けきっていない。 色も、気持ちも、はっきりしない。 山は、そこにある。 水は、静か。 ただ、僕だけがよくわからなかった。 何に悲しいのかも、 何を失うのかも、 まだ知らなかった。 白鳥が、ゆっくりと進む。 波紋は広がって、すぐに消えていく。 言葉になる前の、感情みたいに。 何も起きていない時間が、 いちばん長かった気がする。 あの頃の、僕。 選んだ写真は、 カメラを手にしてから、まだ一年も経っていない頃に撮ったもの。 選ぶとき、ずっと迷っていた。 何を基準に選べばいいのか、わからなかった。 自分が一番綺麗だと思うものを選ぶべきか、それとも大多数の人が好むものを選ぶべきか? 結局、答えは出なかった。 ただ、自分の中でいちばん深く残っている瞬間、 いちばん感情が揺れていたときに、撮った一枚を選んだ。 きれいじゃないかもしれない。 でも、あの頃の自分にとっては、 いちばん色のあった景色だった。
まだ、夜は明けきっていない。 色も、気持ちも、はっきりしない。 山は、そこにある。 水は、静か。 ただ、僕だけがよくわからなかった。 何に悲しいのかも、 何を失うのかも、 まだ知らなかった。 白鳥が、ゆっくりと進む。 波紋は広がって、すぐに消えていく。 言葉になる前の、感情みたいに。 何も起きていない時間が、 いちばん長かった気がする。 あの頃の、僕。 選んだ写真は、 カメラを手にしてから、まだ一年も経っていない頃に撮ったもの。 選ぶとき、ずっと迷っていた。 何を基準に選べばいいのか、わからなかった。 自分が一番綺麗だと思うものを選ぶべきか、それとも大多数の人が好むものを選ぶべきか? 結局、答えは出なかった。 ただ、自分の中でいちばん深く残っている瞬間、 いちばん感情が揺れていたときに、撮った一枚を選んだ。 きれいじゃないかもしれない。 でも、あの頃の自分にとっては、 いちばん色のあった景色だった。