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・『 暮雲蒼茫 』・ ・ぼううんそうぼう・ 人は足早に通りすぎる 誰もが それぞれの夜へと向かう でも あのときだけは 時間が ほんの少し滲んで 空が 静かに語りかけてきた 淡く染まる雲のむこうに 今日という一日が そっと沈んでいく 言葉にならない想いが 影となって地面を這い 夕風に揺れていた ひとりぼっちでもなく まるで誰かと隣り合っているような 不思議な安心と、 言いようのない切なさが 混ざり合う ふと見上げた空は 遠く、果てしなく、静かで その青さに 胸がぎゅっとなる そして心に刻まれる ――暮雲蒼茫。 それは、何も語らずに すべてを包み込んでくれた あの空の名前 📸:Minolta SRT-101 🎞️:Kodak Gold 200