午前2時、広島からの旅路。 霧と厚い雲に閉ざされた暗闇の中、 「晴れろ」と願いながら一歩ずつ山を登る。 山頂で待っていたのは、 雲の切れ間から差し込む一筋の光。 それは紅葉のくじゅう連山を、 ほんの一瞬だけ鮮烈に浮かび上がらせた。 吹き抜ける風の声、鳴り響く山の鼓動。 大自然の圧倒的な美しさを前に、 自分が世界のほんの一部であることを 知った瞬間だった。