・『 霧中夢幻 』・ ・ むちゅうむげん ・ すべてが滲んで、輪郭を失っていく。 空も、海も、遠くにかかる橋さえも。 ただ一面の青に包まれて、世界は夢と現のあわいに静かに沈んでいく。 人の声も、風の音も聞こえない。 時さえも立ち止まり、そっと息を潜めているかのようだ。 けれどそこには、寂しさも、恐れもない。 あるのは、誰にも干渉されない“静寂の余白”。 記憶と感情がふわりと浮かび上がり、やがて霧の中へと還っていく。 “現実”という言葉すら、ここでは意味を持たない。 すべてが曖昧で、儚く、そしてやさしい。 この一枚は、 心のざわめきに疲れたあなたへ、 「少しだけ、立ち止まってもいいんだよ」と、 そっと語りかけてくれる。 📸: Minolta S-Matic 🎞️: 35mm Fujifilm 400

