
Cover photo by スサダイキ
〈Ed Sheeran〉の代表曲『Photograph』は、離れていても変わらない想いを「写真」というモチーフを通して描いた、心温まるバラードです。この曲が持つ“懐かしさ”と“切なさ”は、まさに写真の持つ力そのもの。
過ぎ去った時間を閉じ込め、いつでも心をあたためてくれる存在として、音楽と写真が静かに共鳴しあう瞬間を紐解いてみましょう。
写真に残る、会えない日の優しさ
「Loving can hurt sometimes, but it's the only thing that I know」──愛が傷つけることもあるけれど、それでも手放せない。

Photo by Ryuzi
この歌の中で、写真は“会えないときに心を繋ぐもの”として登場します。部屋の片隅に置かれた1枚の写真が、触れられない距離を少しだけ縮めてくれる。
そんな日常の光景を思い出させてくれるこの曲は、遠距離恋愛や大切な人との時間を写した写真に、そっと重なります。
写真が閉じ込める、時を超える感情
「We keep this love in a photograph」──この一文は、まるで写真が“感情のタイムカプセル”のように機能することを示しています。

Photo by Yuya
シャッターを切るとき、私たちは無意識に「忘れたくない今」を閉じ込めています。それが、手に取った瞬間にあの日の気持ちまで呼び戻してくれるのは、音楽と同じ。
不完全な光やブレまでも愛おしい、そんな1枚があること自体が、私たちの人生を豊かにしてくれるのかもしれません。
そして再び、心が会いにいく
「When I'm away, I will remember how you kissed me」──離れていても、記憶の中でそっとあなたに会いにいける。

Photo by tk
写真と音楽は、物理的には存在しないけれど、確かに心に触れる“手段”です。この曲が伝えてくれるのは、形がないからこそ、写真やメロディが心に深く残るということ。
自分が見た景色、大切な誰かの笑顔、その一瞬を“感じる”という体験を、写真と音楽の中で何度でも繰り返すことができるのです。