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photo poster project | 台北ローンチ1周年 | 一枚の写真から、街のコミュニティが生まれるまで | ISSUE #280

By cizucu · 2026年9月7日

photo poster project | 台北ローンチ1周年 | 一枚の写真から、街のコミュニティが生まれるまで | ISSUE #280
photo poster project | 台北ローンチ1周年 | 一枚の写真から、街のコミュニティが生まれるまで | ISSUE #280

cizucuが世界中で開催している〈photo poster project(ppp)〉。cizucuに写真を投稿するだけで、フォトポスターの展示会に参加でき、まだ見ぬフォトグラファー友達と出会うことができます。

2025年10月18日・19日、台湾・台北の〈濕地 | venue〉で、台湾初となるpppを開催しました。あの日から、まもなく1年。台北では、毎月顔を合わせる参加者やスタッフが少しずつ増え、写真をきっかけに人が戻ってこられる場所が育っています。

今回はJoJo、Rinさん、cizucuメンバーによる対談を通して、台北での立ち上げを振り返ります。ひとつの都市でpppが始まり、現地のチームへ渡り、続いていくまで。その過程でcizucuが、参加するクリエイター、会場となるギャラリー、作品を見る観客、運営を支えるスタッフや協力パートナーと、どのように関係を築いてきたのか。仕組みと、仕組みだけではつくれない関係性の両方を記録します。

インタビュー参加者
JoJo(台北マネージャー)
Rin(プロジェクトファウンダー)
cizucu編集部
同時通訳:Saki

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2025年10月18日・19日、台北での初開催風景

Q.01韓国開催の翌月、台北へ

JoJo

そもそも、なぜ台湾でpppを始めようと思ったんですか?

Rin

きっかけは〈Threads〉でした。日本で開催したpppの様子やcizucuの活動を発信する中で、台湾のクリエイターにも投稿が届き始めていたんです。画面上で反応を見るだけではなく、実際に台湾へ行き、写真を通して会える場所をつくりたいと思いました。

実はpppを初めて海外・韓国で開催した、そのすぐ翌月の立ち上げです。

開催を決めてから本番まで時間がなく、会場探し、展示者募集、現地スタッフの採用を同時に進めました。日本でつくった形式をそのまま持っていくだけでは、現地の人が継続して関われる場にはならない。だから、台北で一緒に運営してくれる人を探すことを特に大切にしました。

JoJo

そこで、私たちと出会ったんですね。

Rin

最初から完成されたチームがあったわけではありません。面接でpppの考え方を伝え、それぞれが得意なことや、台湾でどんな場をつくりたいかを話しました。そこから役割を持ち寄りながら、台北のチームをつくっていきました。
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Q.02写真一枚から、街の関係をつくる

JoJo

海外でも同じ形で開催できるように、pppではどこまで仕組みを共通化しているんですか?

Rin

参加者が行うのは、開催都市と日程を選び、cizucuに写真を投稿して、展示する一枚を登録することです。作品は一人一枚、A2サイズの縦型フォトポスターに統一しています。制作、印刷、配送はcizucuが担い、掲出や当日の進行は現地チームと一緒に準備します。

JoJo

pppでは、展示するだけでなく、作品について話す時間も大切にしていますよね。台北でも、その時間が交流のきっかけになっていたと思います。

Rin

そうですね。作品の背景を本人が話す「ギャラリートーク」、話しかけるきっかけになる「クリエイターカード」、観客が感想を届ける「愛のメッセージ」を用意しています。
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Rin

クリエイターは作品を見せるだけではなく、自分の言葉で背景を話す。観客は見るだけではなく、感想を贈る。ギャラリーや会場は地域の人が集まる場所を開き、スタッフのみなさんとは、その間に会話が生まれるようにサポートを行います。

JoJo

写真をポスターにする仕組みだけではなく、関わる人同士をつなぐところまでがpppなんですね。

Rin

はい。最初から関係がある人だけで集まるのではなく、初めて会う人同士が話せる状態をつくることが大切です。台北では、その接点を一度で終わらせず、開催を重ねながら、運営の中心も少しずつ現地チームへ渡していきました。
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Q.03現地チームだけで運営する緊張

Rin

日本チームが現地へ行かず、台北チームだけで運営するようになってからは、どうでしたか?

JoJo

緊張感はありました。設営が思うように進まず、開始が少し遅れたこともありますし、準備を手伝う予定だった人が急に参加できなくなることもありました。

それでも、スタッフのみんなが経験を積み、少しずつ頼もしくなっていくことがありがたかったです。日本チームに連絡すると、現地にいるようにすぐ返事をくれることも、とても心強かったです。

現場のことは、私たちで判断をしながら、日本チームは、困ったときにすぐ支えてくれるので、すごく柔軟性を持って臨機応変に動くことができました。
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Rin

運営のフォーマットと目的は共有しますが、参加者と取るコミュニケーションやコミュニティの方向性まで日本側が細かく決めることはしません。現地の参加者や会場を一番よく知っているのは、現地チームだからです。必要なときに支えながら、判断を少しずつ現地へ委ねる。この形が、pppを各都市で続けるための土台になりました。

Q.04整った仕組みと、現場に合わせる柔軟さ

Rin

JoJoは、cizucuと実際に仕事をして、印象が変わったことはありますか?

JoJo

参加登録や作品管理、制作の進行、現地チームとの情報共有までが、社内ツールを通して一つにつながっていることに驚きました。離れた場所にいても状況を共有できるので、台湾チームだけで運営する回でも、迷ったときにすぐ確認し、判断できます。台湾の大手企業でも、ここまで仕組みと現場がつながっている例は見たことがありませんでした。

それだけでなく、状況に合わせてフレキシブルに動いてくれることや、とにかく、対応が早いことも印象的でした。仕組みが整っていることと柔軟さを両立できる会社は、台湾でも多くないと思います。みんなで同じ目標に向かって働けたことが、この一年ですごく良かったです。

Rin

システム面では、うちのエンジニアがすごいです(笑)。参加登録、作品管理、制作、現地スタッフとの情報共有まで、会場では見えない仕組みの部分からも、pppを支えています。
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Q.05月に一度会える友達のようなチーム

Rin

台北チームの好きなところは、どんなところですか?

JoJo

みんなが遠慮なくディスカッションできるところです。チームが何でも言える関係であることは、大切だと思っています。

月に一度会える友達のような感覚もありました。私はマネージャーですが、強く引っ張るというより、みんなでつくることを大事にしていました。スタッフにはppp以外の仕事もあるので、参加できない時期もあります。だから、その人の今の状況を気にかけ、話しやすい雰囲気をつくるようにしていました。
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JoJo

間違いを強く指摘するのではなく、そっと直せるところは直す。私のアイデアがすべてだと、みんなが思っていないところも好きでした。

Rin

JoJoは、必要なときには前に立ち、誰かを輪に入れるときには後ろから支えられる人だと思います。そうした関わり方が、スタッフだけでなく参加者も安心して話せる、台北の空気につながっていきました。

Q.06台南で育った、迎える力

cizucu編集部

JoJoは台南出身ですが、台南と台北では、人との距離感に違いを感じますか?

JoJo

高校時代には3年間、学級委員長をしていました。みんなの良いところを見つけて褒めたり、一人でいる子を輪へ入れたりしていました。振り返ると、その感覚は、参加者やスタッフを迎える今の姿勢にもつながっているのかもしれません。

台南は大阪、台北は東京というイメージです。都市部は人との距離が少し遠くなりますが、台南は近い。母に外国人の友達がいると話すと、すぐにご飯へ誘ったり、泊まっていくように言ったりします。それくらい温かい場所です。

Rin

JoJoは参加者だけでなく、会場や〈EPSON〉、〈Avocado Art Lab〉などの協力パートナーに対しても、常に相手の立場に立って何を求めているのかを考えました。実際の使用感を知りたい企業には、参加者の声を共有する。会場には、当日の動きや必要な準備を丁寧に伝える。協力を一度きりで終わらせず、次の開催へつながる関係として育てる姿勢が、台北の運営を支えていました。
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JoJo

台北では応募が集まるようになりましたが、pppを続ける中で、一番大変だったことは何ですか?

Rin

立ち上げからしばらくは、参加者への届け方を模索する時期がありました。2025年の夏ごろは、日本国内でも試行錯誤が続きましたが、開催を重ねながら少しずつ改善していきました。新しい取り組みの価値が伝わり、参加につながるまでには、やはり時間が必要だと感じています。

その後、逆に台北には多くの応募が集まりました。それは台湾チームのおかげでもあります。一度の成功よりも、開催を続け、体験を少しずつ良くしていくこと。その積み重ねがpppへの信頼につながったと思います。

Q.07写真が、台湾で会話の入口になった

JoJo

なぜ、事業の入口に写真を選んだんですか?

Rin

すごくシンプルな理由で**、「**写真を撮ったことがない人はいない」からです。特別な技術を持つ人だけではなく、みんなが参加できるものをつくりたいというのが出発点でした。

台北で開催を重ねる中で、その考えは実際の風景になっていきました。クリエイターが作品の背景を話すと、観客が感想を返し、そこから別の会話が始まります。写真を見ることと、人と関わることが分かれていない。その距離の近さが、交流を好む台湾のカルチャーとpppを結びつけました。
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Rin

同じイベントを繰り返しているようでも、毎回、新しい参加者と出会います。まったく同じ日はありません。だから、その人が安心して作品について話せるよう、その都度工夫を続けました。

写真そのものを入口にしながら、参加者、観客、スタッフが互いの言葉を受け取る。その循環が生まれたことで、pppは展示の仕組みから、また会いたい人がいるコミュニティへと変わっていきました。

Q.08台北での一年を、次の都市へ

JoJo

これから、pppをほかの国へどのように広げていきたいですか?

Rin

対談の時点では、香港での開催を控え、11月以降のアメリカ開催も準備しています。少しずつ開催場所を増やすことは、これからも視野に入れています。

同時に、より多様なフォーマットを試したり、特別な場所で開催することも考えています。実際にコミュニティと会うことで、みんなが何を求めているのかの解像度が上がってきました。その声をもとに、pppの体験をもっと良くしていきたいです!
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Q.09編集後記

もう一つの目標は、写真に限らず、「ここが自分の居場所だ」と感じられる場所を増やすことです。

台北での一年に残ったのは、開催回数だけではありません。参加者が安心して作品を話せる空気、観客が言葉を返せる時間、スタッフが相談できる関係、そして会場や協力パートナーと次の開催を考えられるつながりが残りました。

リアルな場で顔を合わせるからこそ、作品を見た記憶は、人と出会った記憶にもなります。その小さな関係が積み重なり、「また来たい」「次は運営として関わりたい」と思えるコミュニティが育っていきます。

JoJoは台北マネージャーを卒業しますが、チームと育ててきたものは次の人へ受け継がれます。一年前、画面越しの面接から始まった台北のppp。これから別の都市で関わるマネージャーやスタッフ、場所を開くギャラリーや会場、活動を支えるパートナーとも、それぞれの地域に合った関係をつくっていきます。

次の一年も、同じ仕組みの中から、その街にしかない出会いが生まれていきます。

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