〈Meta〉が提供するテキスト中心のソーシャルメディア・〈Threads〉。そこには日々、世界各国から無数の表現が投稿されています。
『find new pieces』は、Threadsに投稿された無数の作品の中から、才能あふれる作品を見つけ出し、その魅力をマガジンで届ける発掘企画です。毎回テーマを掲げ、それに添う作品を世界中から集めることで、まだ見ぬ才能(new pieces)に出会っていきます。
今回は、世界中から寄せられた無数の応募作品の中から、12作品をご紹介します。
それでは、それぞれの視点と感性が息づく素晴らしい作品を見ていきましょう。
『no reason, just like』
理由はいらない。ただ、なぜか惹かれてしまった。
言葉にしようとすると、するりとこぼれてしまう感覚。
それでも確かに「好き」と言える、名前のつかない瞬間。
写真には、ときどき“理由の手前” の衝動が写ります。
「きれい」でも「すごい」でもないのに、なぜか目が離せない。
理由はわからない。でも、たしかに好き。
そんな一枚を、ぜひ見せてください。
new pieces

Photo by Kai Kim
Kai Kim
💙 01
cizucu編集部
暗がりの室内に、窓から差し込む光だけが静かに残っていて、その境界に腰かけたシルエットがとても印象的です。何をしているのか、どんな気持ちなのか。説明はできないのに、見ている側の想像が自然と立ち上がってきます。床の質感や余白の広さも効いていて、「好き」の理由が言葉になる前の揺れを、そのまま写真に閉じ込めているように感じました。

Photo by 굴러들어온 일상(転がり込んだ日常)
굴러들어온 일상(転がり込んだ日常)
📷 NIKON D40
💙 02
cizucu編集部
芝生の緑そのものはとても日常的なのに、そこへ落ちる影のかたちと濃淡が加わった瞬間、風景が一気に気配のある景色へ変わっているのが素敵です。何が写っているかを説明しきらないまま、時間帯や温度、周囲の存在まで想像させてくれます。主張しすぎない構図だからこそ、ふと立ち止まって見入ってしまう一枚です。

Photo by shihgood
shihgood
💙 03
cizucu編集部
日常のはずの街角が、光の切れ目ひとつでこんなにもドラマチックになるのかと驚かされました。黒が深く沈み、そこから浮かび上がる標識や壁の質感が、視線を小さく誘導していきます。情報量のある被写体をあえて“見せすぎない”バランスに整えていて、どこか映画のワンシーンのような余韻が残りました。理由を探す前に、ただ格好いいと感じてしまう一枚です。

Photo by wolf sho
wolf sho
💙 04
cizucu編集部
窓ガラス越しの反射と、店内の小さな花瓶。その二層が重なっただけで、ありふれた景色が少しだけ夢のように見えてくるのが魅力的です。主役はチューリップなのに、外の自転車や路面の気配まで画面に溶け込み、視線があちこちに寄り道してしまいます。明るさの扱いも柔らかく、記憶の断片をそっと拾い上げたような手触りが残りました。説明しきれないのに惹かれてしまう、まさに“好き”が先に立つ一枚です。

Photo by Project P
Project P
💙 05
cizucu編集部
「NO PARKING」という強いメッセージの看板の下で、静かに音を奏でる人物。その対比だけで、なぜか目が離せなくなる力があります。ローアングルからの距離感が効いていて、街の雑多さや電線の線まで含めて、生活の温度をまるごと写し取っています。色のトーンも少し褪せたようで、現実なのにどこか物語めいて見えるのが印象的。理由を説明する前に、まず「好きだな」と感じさせてくれる作品です。

Photo by Sammy
Sammy
💙 06
cizucu編集部
手前の木々のシルエットと、遠景にすっと立ち上がる建物の輪郭。その距離のレイヤーが心地よくて、見ているだけで散歩の途中の呼吸まで思い出すようです。主役を決めすぎず、人の気配も街の形も同じ重さで置いているところに、肩の力が抜けた美しさがあります。空の色も澄んでいて、特別な出来事ではないのに「この瞬間が好き」と感じてしまう、ふと心がほどける一枚です。

Photo by RUKA
RUKA
📷 NORITSUKOKI EZ Controller
💙 07
cizucu編集部
無機質な床に置かれた「STOP」という文字が、光と影のリズムによって少しだけ詩的に見えてくるのがユニークな一枚。形はとてもシンプルなのに、斜めに走る影と余白が、画面に心地よい緊張感をつくっています。何かが起きているわけではないのに、「ここで立ち止まりたくなる」感覚が確かに残りました。

Photo by kKoamng
kKoamng
💙 08
cizucu編集部
ホームの天井灯が大きくカーブしながら奥へ吸い込まれていく線が、とにかく気持ちよくて、思わず何度も目でなぞってしまいます。人物はぼんやりとしているのに、空間の輪郭だけは不思議なくらい鮮明で、「待つ時間」の手触りがそのまま写っています。全体の淡いトーンも相まって、現実の風景なのに少しだけ記憶の中の場面のように感じられました。

Photo by How
How
💙 09
cizucu編集部
フレームの外側から覗き込むような構図が効いていて、こちらが「見てしまった」側になる感覚が残りました。強い日差しが入口付近を白く照らす一方で、車内(もしくは影)の深さが人物の存在感をそっと引き出しています。イヤホンのコードや足元の角度など、些細なディテールが生活のリアルを支えていて、物語を説明せずとも気持ちだけが伝わってきました。

Photo by kimj0ohee
kimj0ohee
💙 10
cizucu編集部
湖の青と山の稜線、そして岸辺に座る人物の佇まいが、驚くほど自然にひとつのリズムになっていました。景色は雄大なのに、見せたいのは「眺めている時間」そのもの。そう感じさせる静けさがあります。手前の木陰がさりげなくフレームになっていて、視線が迷わず水面へ抜けていくのも心地よい。旅の記録というより、理由なく大切にしたくなる間が残る一枚です。

Photo by Ben Chen
Ben Chen
💙 11
cizucu編集部
戸口のフレームの中に、ふっと現れては消えていきそうな気配が写っていて、胸がきゅっとなりました。ピントがきっちり合っていないからこそ、輪郭よりも「時間」のほうが強く残ります。手に抱えたぬいぐるみや、伸ばした腕の仕草が、言葉にできないままの感情を代わりに語っているようでした。家の匂いまで想像できてしまうのに、説明はできない。この“理由の手前”の揺らぎが、とても好きです。

Photo by LM
LM
📷 FUJIFILM X-T5
💙 12
cizucu編集部
輪郭がほどけるほどのスピード感が、そのまま「楽しい」という感情に直結していて、見た瞬間にこちらまで引っ張られました。きれいに写すよりも、今この一瞬の勢いを残したい。そんな衝動が正直で、本テーマにぴったりな作品です。手をつないだまま進む方向も、背景の流れも、すべてが未完成で、だからこそ眩しい。言葉にしきれないのに、ただ好きだと言いたくなる一枚です。
最後に
いかがだったでしょうか。
今回のテーマは『no reason, just like』。同じテーマであっても、心が動いた理由は人それぞれで、言葉にしきれないまま写真にだけ残ることがあります。今回寄せられた作品には、理屈より先に視線が止まった瞬間や、説明できないのに「好き」と言い切れる感覚が、そのまま写り込んでいました。
まだ見ぬ才能(new pieces)を見つけ出すということ。それこそが、本企画を通して果たしたい役割であり、あなたの表現が、より多くの人の心に届くきっかけになることを願っています。
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