MAGAZINE
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Cover photo by Kimchu
〈Meta〉が提供するテキスト中心のソーシャルメディア・〈Threads〉。そこには日々、世界各国から無数の表現が投稿されています。
『Read Your Photography』では、ただ見るだけでは出会えない、写真の裏側にある“物語”に目を向けます。Threadsを通じて集まった作品とともに、その一枚が生まれた背景やその人だけの時間を、cizucuマガジンが12言語に翻訳し、世界中へ届けます。
物語を心にしまっておくのもひとつの選択。けれど、その想いは、誰かの心に静かに触れ、まだ見ぬ感動を生むかもしれません。
cizucuの〈Threads〉で、ふと投稿される “写真のテーマ” 。
そのテーマに合う “あなたの一枚” を、リプライするだけ。
参加条件はひとつ、cizucuのSNSをフォローです💙
ご応募いただいた作品の中から、
選ばれた方にはcizucu編集部より、メッセージをお送りいたします!
今回ご紹介するのは、世界中から集まった3名の作品です。
それでは、唯一無二の物語を、そっと覗いてみましょう。

Photo by u__530
u__530
📷 NIKON D3200
📚 01
17歳の夏、はじめて自分の意志だけで辿り着いた場所です。
アルバイトで少しずつ貯めたお金を握りしめて、岐阜から海の向こうへ向かいました。
船に揺られながら見上げた空は、どこまでも青くて、
流れていく雲も、遠くに重なる山も、きらめく海も、
すべてが夏という一瞬に溶け込んでいました。
cizucu編集部
アルバイトで貯めたお金と、自分の意志だけで辿り着いた17歳の夏。その一歩が、この一枚に確かな重みと輝きを与えています。澄み渡る空や重なる山、きらめく海は、ただの風景ではなく、あなたの決意と解放の記憶そのもののように感じられます。揺れる船上で見上げた景色が、人生の新しい扉を静かに開いた瞬間を、やさしく、そして力強く伝えてくれる作品です。

Photo by henry0930507
henry0930507
📚 02
ジャカルタで信号待ちをしているとき、都市は決して静止しているわけではない。車の列のあいだを、小商人やストリートパフォーマーが行き来し、車内のドライバーや乗客に商品が必要かどうかを尋ねたり、束の間のパフォーマンスを披露したりする。
その数十秒の停止は、この巨大都市のもう一つの側面を、これほどまでに直接的に感じたのは初めてだった。世界で最も人口の多い都市圏のひとつにおいて、繁栄と困難は隣り合わせに存在している。赤信号の時間は短いが、それでも都市に刻まれた深く鮮明な貧富の格差を垣間見るには十分だった。
cizucu編集部
赤信号というわずかな停滞の中で、都市が持つもう一つのリズムが浮かび上がる一枚。行き交う車の隙間を縫うように現れる存在は、単なる通過者ではなく、この街の現実そのものを体現しています。モノクロの表現が、光と影の対比を通じて、繁栄と困難が隣り合う都市の構造をより鮮明に引き出しているのも印象的です。ほんの数十秒の交差が、深い社会の層を静かに映し出しています。

Photo by Kimchu
Kimchu
📚 03
老陳は毎朝七時半になると、きまってここに現れる。何か用事があるわけではない。ただここには一つのベンチがあり、その背もたれは手すりに向かっていて、その向こうには見渡しても尽きることのないビルの海が広がっているからだ。
彼はこの場所が好きだった。腰を下ろすと、世界が鉄の柵によっていくつもの断片に切り分けられ、まるで見えない檻に閉じ込められたようでもあり、同時に檻の中から外を眺めているようでもある。檻の内側にいるのは彼で、外側にあるのは都市だった。
今日は空がどんよりと曇り、空気には昨夜の湿気が残っている。ベンチは冷たく、鉄の肘掛けには薄く錆が浮いている。彼はそこに手のひらを当て、そのざらついた感触を確かめる。まるで自分がまだ生きていることを確かめるかのように。
柵の向こうの高層ビルは相変わらず沈黙を守り、窓は灰青色の空の光を映している。明かりがついている部屋もあれば、まるで誰も住んでいないかのように真っ暗な部屋もある。彼は知っている。その中には多くの人がいて、自分と同じように、枠にはめられた生活を送っているのだ。
cizucu編集部
静かに腰掛けるひとりの存在と、無機質に広がる都市の対比が、強い余白とともに印象を残す一枚です。鉄柵によって切り取られた外の世界は、自由であるはずなのにどこか遠く、同時に内側もまた見えない境界に縛られているように感じられます。光と影、空間の広がりと孤独が丁寧に重なり合い、日常の中に潜む静かな緊張と、生きている実感のかすかな揺らぎを浮かび上がらせています。
いかがだったでしょうか。
ビジュアルだけでは語りきれない魅力に、私たちは目を向けていきたい。『Read Your Photography』は、写真の奥にある想いや感情に目を向け、ひとつの物語として受け取るための企画です。
写っているのは、ほんの一瞬です。けれどその奥には、確かに流れ続けてきた時間と、言葉にならなかった感情があります。
どうか写真を読むように、そして頁をめくるように、味わってみてください。
次回の『Read Your Photography』も、ぜひお楽しみに。
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24 マガジン
ただ見るだけでは出会えない、写真の裏側にある“物語”に目を向けます。cizucuが主催する〈photo poster project〉やSNSを通じて集まった作品とともに、世界中へ届けます。