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Read Your Photography | すれ違う世界のなかで | Focus #633

By cizucu ·

Read Your Photography | すれ違う世界のなかで | Focus #633

Cover photo by Andy Chan

〈Meta〉が提供するテキスト中心のソーシャルメディア・〈Threads〉。そこには日々、世界各国から無数の表現が投稿されています。

『Read Your Photography』では、ただ見るだけでは出会えない、写真の裏側にある“物語”に目を向けます。〈Threads〉を通じて集まった作品とともに、その一枚が生まれた背景やその人だけの時間を、cizucuマガジンが12言語に翻訳し、世界中へ届けます。

物語を心にしまっておくのもひとつの選択。けれど、その想いは、誰かの心に静かに触れ、まだ見ぬ感動を生むかもしれません。

How to join

cizucuの〈Threads〉で、ふと投稿される “写真のテーマ” 。
そのテーマに合う “あなたの一枚” を、リプライするだけ。

参加条件はひとつ、cizucuのSNSをフォローです💙
ご応募いただいた作品の中から、
選ばれた方にはcizucu編集部より、メッセージをお送りいたします!

今回ご紹介するのは、世界中から集まった3名の作品です。
それでは、唯一無二の物語を、そっと覗いてみましょう。

3 STORIES

Photo by 呂 榮烜

呂 榮烜

📚 01

The Story

美術館の中で、二人の子どもが天井に吊るされたアート作品を無邪気に追いかけているのを見た。まるで子どもだけの無垢さを追いかけているかのようだった。ちょうどすれ違った鑑賞者たちと私、そして子どもたちは、まるで異なる平行世界にいる人たちのようでもあった。

天井でブランコのように揺れている扇風機は、夜空でいちばん明るい星のようでもあった。どんな段階にいる私たちであっても、「それを見れば、きっと思わず追いかけてしまう」のだ。

cizucu編集部
広大な空間に小さく佇む人々と、無邪気に動き回る子どもたち。その対比が、この一枚に静かな物語を与えています。天井から吊るされた作品を追いかける姿は、鑑賞という行為を越え、純粋な好奇心そのものを象徴しているようです。一方で、すれ違う大人たちは別の時間を生きているかのようにも見え、同じ場所にいながら異なる世界が重なり合う瞬間が切り取られています。誰もがかつて持っていた「思わず追いかけてしまう心」を、そっと思い出させてくれる作品です。

Photo by Andy Chan

Andy Chan

📷 RICOH GR III
📚 02

The Story

これは、私が日常的に通勤で通る道です。写真の右側の手は、トラックの側面ドアに貼られたポスターの中の手で、左側の手は荷物の運搬を手伝っている運送作業員の手です。
その日、私は道を歩いているとき、この作業員がトラックの側面ドアを開け閉めしやすいように、ドアの端に手を置いて体を支えているのに気づきました。ちょうどそのとき、私のカメラはすでに電源が入り、撮影の準備が整っていました。幸運なことに、当時は交通量が多かったものの、他の歩行者に遮られることもなく、この瞬間を捉えることができました。
作業員はほんの一瞬この動作をしただけだったので、二度目に撮影する機会はありませんでした。ストリートスナップは、しばしばいくつもの偶然と運によって完成するものです。

cizucu編集部
現実の手とポスターの中の手が重なり合うこの瞬間は、日常の中に潜む視覚的な錯覚とユーモアを見事に捉えています。偶然生まれた配置でありながら、まるで一つの行為を共有しているかのように見える構図が印象的です。通勤路というありふれた場所で、ほんの一瞬の動作を逃さず捉えた観察力と反射的なシャッターが、この作品を成立させています。ストリートスナップの魅力である「偶然性」と「瞬間性」が、鮮やかに表現された一枚と言えるでしょう。

Photo by seungcheol ha

seungcheol ha

📚 03

The Story

暑い日に廃品を集めているおばあさんと、その後ろで黙々と荷車を引きながらついていく少年の姿には、一日の重みと人生が込められている。少年は知らなかっただろう。私がその光景を見つめたとき、胸が熱くなっていったことを。静かな路地、蒸し暑い空気、目には見えなくても同じ道を歩く二人の、愛でつながった姿を。

cizucu編集部
炎天下の路地で廃品を集めるおばあさんと、その後ろを静かに歩く少年。多くを語らない二人の距離感のなかに、日常の重みと深い絆が滲み出ています。力強く荷車を押す背中と、それを見守るように歩く少年の姿は、労働や生活の現実だけでなく、世代を越えて受け継がれる愛情や時間の流れを感じさせます。派手な出来事はなくとも、街の片隅に確かに存在する人生の物語を静かに写し取った一枚です。

最後に

いかがだったでしょうか。

ビジュアルだけでは語りきれない魅力に、私たちは目を向けていきたい。
『Read Your Photography』は、写真の奥にある想いや感情に目を向け、ひとつの物語として受け取るための企画です。

写っているのは、ほんの一瞬です。けれどその奥には、確かに流れ続けてきた時間と、言葉にならなかった感情があります。

どうか写真を読むように、そして頁をめくるように、味わってみてください。

次回の『Read Your Photography』も、ぜひお楽しみに。
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