はじめに
『Traveling Away From Here』は、cizucuが主宰する、cizucuに登録するクリエイターであれば誰でも応募できるグローバルなオンラインフォトコンテスト。応募作品の中から優れた作品をキュレーションし、プラットフォームとしての新たな才能の発掘、そして、コミュニティとしての支援を目的としています。
今回のテーマは、〈旅先での記憶〉でした。
いちばん先に思い出すのは、どんな匂い・光・音でしたか?
旅先で胸に残った、皆さんの個人的で色濃い出来事を写した一枚を募集いたしました。
屋台の煙と鼻に残るスパイス、教会の鐘、広場の足音、霧の中、輪郭だけが残る街灯。旅の長さや距離、それが決定的な1枚かどうか は問いません。
誰にも説明しきれない高揚や沈んだ心は、写真がはっきり語らなくても、あなたの中で何度も再生されるなら十分です。その一枚が、誰かの知らない土地への想像をひらき、眠っていた記憶をそっと揺らすかもしれません。
それでは、応募作品と受賞作品をご紹介いたします。
応募作品

Photo by Filmmango
Filmmango
📷 FUJIFILM SP-2000
cizucu編集部
全体に光が満ち、潮の匂いと日差しの強さが伝わります。点々と散った人影は、誰かと一緒でも、ひとりでも、それぞれの余暇を守っているように見えました。旅先でしか手に入らない何も決めない時間が、遠くの波の音と混じって、ほどけていくようです。

Photo by maidylan
maidylan
「ヨーロッパをデジタルノマドとして旅する中で、ボスニア・ヘルツェゴヴィナのモスタルを訪れ、街の象徴でもあるスタリ・モスト(古い橋)を写真に収めました。
その日がちょうど20年前にこの橋が紛争によって破壊された日であったことを知りました。偶然とはいえ、当時の出来事や人々の思いに心を巡らせながら撮影しました。
ボスニア・ヘルツェゴヴィナは、さまざまな文化や宗教が共に存在する場所で、ヨーロッパでありながら、どこかヨーロッパとは違う独特の雰囲気があります。
この旅を通して、改めて旅をすることの楽しさと、その奥深さを実感しました。」
cizucu編集部
川が青く冷えて見え、その上の石の橋が静かに弧を描いているのが目に留まります。尖塔がいくつも立っていて、祈りと暮らしが同じ景色に重なっているのが印象的でした。フレーミングとコンポジションもしっかり効いています。

Photo by c hi
c hi
「Weighted Backs」
📷 RICOH GR II
cizucu編集部
ブラウンヘアの女性に対して、女性だけにフォーカスして撮るのではなく、一歩引いて撮ることで、対岸の街並みや広い空と同じ比重で並び、この街にいる一人の女性として物語性を帯びています。色の置き方にも意図があって素敵です。
受賞作品

Photo by miki awai
miki awai
「A moment in Hanoi, Vietnam」
cizucu編集部
布が山のように積まれた通路でも、陳列にはこの場なりの秩序があり、人は互いの距離を測りながら自然にすれ違っているように見えます。人々の視線や手の動き、周囲のざわめきまで含めて、この国の慣習や振る舞いが立ち上がってくるようです。

Photo by Crispy Kent
Crispy Kent
「市場裡生鮮的排列及味道」
cizucu編集部
あたり一面に並ぶ、ひらかれた魚の賑わいが迫ってきます。丸盆に整列する白い身、吊るされた魚の列から、この場の活気や熱気がつくられているようです。器の色やテーブルの色がそこに重なって、アジア情緒が漂っていました。大胆なフレーミングにもドキュメンタリー性を感じます。
最後に
いかがでしたでしょうか。
旅先で交わした光や匂い、音の手触りが、応募作品を通してこちらにも届きました。
このコンテストが、皆さまそれぞれの旅を懐かしんだり、次の旅へ小さな期待を抱いたりするきっかけになれていたら幸いです。
ご応募くださった皆さま、ありがとうございました。


