2026年2月12日、〈Kodak〉は〈KODAK EKTACHROME E100〉の直接流通を開始したと発表しました。優れたシャープネスときめ細かな粒子感で愛されるこのカラーリバーサルフィルムは、〈Eastman Kodak Company〉が自社で製造し、ディストリビューターへ直接販売するポートフォリオに加わります。
135および120フォーマットで展開されるこの移行は、10年以上にわたるKodak Alaris経由の流通体制からの大きな転換であり、北米を中心としたより安定的な供給が期待されています。
手に届きやすくなったプロフェッショナル・スタンダード
自社流通への切り替えは、フィルムファンにとって嬉しい変化をもたらしました。2026年現在のフィルム価格高騰の中で、従来の24ドル前後から22ドル前後へとわずかながら価格が引き下げられています。

Photo by Thomas Huynh
これは〈Kodak Gold 200〉や〈Tri-X 400〉で先行して行われた価格改定のパターンを踏襲したものです。2018年に復刻された際のエマルジョン処方に変更はありませんが、黄色が際立つレトロな新パッケージは、このプロ用フィルムが新たなフェーズに入ったことを象徴しています。
Ektachrome E100が持つ唯一無二のアイデンティティ
〈Kodak〉の現代ラインナップにおいて唯一のスライドフィルムである〈Ektachrome E100〉は、精緻な描写を求めるクリエイターにとって特別な存在です。ニュートラルな階調、正確な色再現、そして適度に強調された彩度は、スキャン耐性にも優れ、プロフェッショナルな用途に最適化されています。

Photo by Harrrima
〈Ektar 100〉や〈Tri-X 400〉と並ぶ「プロフェッショナル」ラインに位置づけられ、世界的に見ても数少ない現行のポジフィルムとして、その独特の美学を守り続けています。
統合されるKodakフィルムの系譜
今回の移行により、〈Kodacolor〉、〈Ultramax 400〉、〈Kodak Professional Gold 200〉など、主要なラインナップの多くがEastman Kodakの直接管理下に統合されました。現在、Kodak Alarisに残るのは〈Portra〉と〈T-Max〉ファミリーのみとなっています。
この統合は、供給の安定化だけでなく、メーカーとユーザーの距離を縮める一歩でもあります。アナログ写真という文化が、今もなお力強く脈打ち、高品質な物語を紡ぐための道具が未来へと繋がっていることを示しています。

