中古カメラ市場で〈Canon〉のコンパクトデジタルカメラが、近年異常とも言える価格高騰を見せています。〈G7 Xシリーズ〉や〈PowerShot〉の旧モデルは、発売当時の実売価格を超える例も珍しくありません。
この現象は偶然ではなく、ブランド価値、SNSによる需要喚起、供給不足、そして関税や為替といった現実的要因が重なった結果です。今回は「Canon Tax」とは何かを明確にし、その実態を整理します。

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性能以上に支払われるブランド・プレミアム
「Canon Tax」とは、同等スペックや年式の他社製品と比べても、〈Canon〉であるという理由だけで高値が付く状態を指す市場用語です。〈Canon〉は耐久性や色再現、操作性への信頼が厚く、中古市場でも値崩れしにくいブランドとして長年認識されてきました。

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その結果、購入者は純粋な性能差ではなく、「〈Canon〉である安心感」や再販価値に対して追加コストを支払うことになります。これが「Canon Tax」の本質であり、現在は特にコンパクトカメラ分野で顕著に表れています。
価格はどこまで上がったのか
実際の中古相場を見ると、その高騰ぶりは明確です。〈G7 X Mark II〉および〈Mark III〉は、状態によって800 ~ 1,200ドル前後で取引されることがあり、〈S95〉や〈G9 X〉、〈PowerShot G12〉といった10年以上前のモデルでさえ300 ~ 1,000ドルの価格帯に並びます。
発売当時の実売価格を上回るケースも少なくありません。一方で、〈A800〉や〈IXUS 100〉、〈ELPH 135〉などのエントリーモデルは150ドル以下に留まっており、「Canon Tax」はすべての機種に一律にかかっているわけではないことも事実です。
SNS、供給不足、関税の重なり
価格高騰の直接的なきっかけは、〈TikTok〉や〈Instagram〉での拡散です。スマートフォンでは再現しにくいズーム性能や独特の描写が「エモい」「雰囲気が出る」と再評価され、特定モデルに需要が集中しました。

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加えて、多くのコンパクトカメラが生産終了となり、市場供給は大きく減少しています。さらに米国では対日関税による新品価格の上昇が示唆され、円安によって日本国内価格との差も拡大しました。これらの要因が重なり、「Canon Tax」は一時的なブームではなく、構造的な価格プレミアムとして定着しつつあります。

