はじめに
『Listen CloselyListen Closely』は、cizucuが主宰する、cizucuに登録するクリエイターであれば誰でも応募できるグローバルなオンラインフォトコンテスト。応募作品の中から優れた作品をキュレーションし、プラットフォームとしての新たな才能の発掘、そして、コミュニティとしての支援を目的としています。
今回のテーマは、〈耳をすませて〉でした。
鮮やかな季節が過ぎ去り、光も音も穏やかに沈んでいくこの頃。
そんな静けさの中にも、まだ言葉にならない音が潜んでいます。
耳をすませば、世界はいつもやさしく語りかけてくれる。 聴こえてくる音や気配を、それぞれの感性で丁寧に切り取っていただきました。
目には見えない“音”が、写真の中でどんな風に響くのか。
それでは、応募作品と受賞作品をご紹介いたします。
応募作品

Photo by ゆーえぬ
ゆーえぬ
📷 FUJIFILM XT-5
cizucu編集部
水面に映る空と、そっと立つ草を写した写真。とても静かな風景ですが、草の揺れや水の気配から、目には見えない音が確かに存在していることを感じさせてくれます。耳をすませば、水の音や風の通り道がゆっくり立ち上がってくるようで、何気ない自然の一瞬に意識を向けさせてくれる一枚だと思いました。

Photo by Yosuke0312
Yosuke0312
「『祭』」
📷 NIKON D750
cizucu編集部
夕焼け空を背に、祭りの山車(だし)の上に立つ人々をとらえた一枚。逆光によって人物の表情は見えませんが、その分、掛け声や太鼓の音、周囲のざわめきまでが想像され、写真から強い臨場感が伝わってきます。視覚的には静止しているはずの一瞬なのに、祭り特有の熱気や人の息づかいが今にも聞こえてきそうです。

Photo by N N
N N
cizucu編集部
扉の隙間からこちらを見つめるように佇む象。モノクロで切り取られたことで、肌の質感や体の重みがより際立ち、静かな空間に満ちる緊張感が伝わってきます。音がほとんどないように感じられる場面でありながら、視線を交わしたその一瞬には、言葉にならない気配や沈黙の音が確かに宿っている。思わず耳をすませたくなる、印象的な一枚です。
受賞作品

Photo by ozaki kazu
ozaki kazu
「また来る日まで。滞在した小さな島との別れ、フェリーから港に投げられるテープ、風になびく紙が噛み合う乾いた音、皆の声援。」
📷 PENTAX K-1 Mark II
cizucu編集部
青空の下、風に揺れる色とりどりのテープと、それに手を伸ばす人々。画面いっぱいに広がる動きからは、テープが擦れ合う音や、風の通り抜ける気配が自然と想像されます。空の広がりと人の仕草が重なり、視覚だけでなく身体全体で音を感じているような印象を受けました。楽しげなざわめきや風の音が重なり合って聞こえてくるようで、音の存在を前向きに、そして軽やかに感じさせてくれます。

Photo by takaomikim
takaomikim
📷 FUJIFILM SP-3000
cizucu編集部
半開きの扉の向こうで、静かに電話に耳を傾ける姿。外と内、光と影の境界に、声の抑揚や息づかい、受話器越しに流れる時間の気配が立ち上がります。会話の合間に生まれる沈黙までもが伝わってくるようで、日常の一場面でありながら、耳をすませば確かに何かが語られている。静けさの中に宿る音の存在を感じさせる一枚です。
最後に
いかがでしたでしょうか。
静けさの中に潜む気配や、にぎわいの中で立ち上がる音、そして沈黙そのものに宿る響きまで、さまざまな“音のかたち”が集まりました。自然の中のわずかな揺れや、祭りの熱気、視線が交わる一瞬の緊張感、風や水が運ぶ余韻、それぞれの作品から、音を想像し、感じ取る時間が生まれていたように思います。
目には見えないものに意識を向けることで、写真の奥行きや、自分自身の感覚にもあらためて気づかされる。そんな体験を共有できた、豊かなコンテストとなりました。
今後も、感性をひらく様々なテーマのフォトコンテストを開催していきます。
次回もまた、あなたならではの視点で切り取られた一枚に出会えることを、楽しみにしています!


