カメラに隠された資源 メタルパーツとは | Release #158

私たちの手元に残された古いカメラ。一見するともう使い物にならないように見えますが、その中にあるメタルパーツは再生可能エネルギーの未来に貢献する貴重な資源です。特に、アルミニウムや銅などの金属は、新しいテクノロジーの核心部品として再利用できます。

実際に〈Global E-Waste Monitor〉の報告によると、2022年のPCなどを含めた電子廃棄物から抽出可能な銅は約200万トンにも上り、その60％がリサイクルされています。

カメラのメタルパーツのリサイクルは、現在多くの障壁に直面しています。特にレアメタルの回収は、その複雑さと処理費用からリサイクル率が1％未満にとどまっています。しかし、これを逆手に取れば、技術革新の余地が大きい分野とも言えます。

例えば、国際エネルギー機関（IEA）は、再生可能エネルギー向けの銅需要が2030年までに3倍に増加すると予測しており、この増加する需要を賄う方法として、電子廃棄物リサイクルの強化が期待されています。

解決策の鍵を握るのは、政府からの働きかけだという説もあります。

ヨーロッパでは、2030年までに使用されるレアメタルの四分の一をリサイクル素材でカバーするという目標が設定されています。一方、アメリカ合衆国ではエネルギー省がリサイクル技術革新のために最大400万ドルの賞金を提供するコンペティションを開催しています。日本もこれらの手を見倣う道があるかもしれません。

カメラを選ぶ際、単に性能や価格だけでなく、その製品がどれだけリサイクルしやすいか、またメーカーが環境に対してどのような責任を持っているかも重要な判断基準です。さらに、使わなくなった電子機器を正しくリサイクルすることで、これらの資源を効果的に再利用し、環境保護に貢献することができます。

カメラの中の小さなメタルパーツ一つひとつが、地球環境にとって重要な役割を果たす可能性を秘めています。これらの資源を有効活用することで、持続可能な未来を実現する一歩となるでしょう。