昔のレンズ今のボディ オールドレンズでレトロな写真を撮ろう | Release #114

オールドレンズのデジタルカメラへの適用が容易になったのは、2008年のミラーレスカメラの登場が大きなターニングポイントでした。ミラーレスカメラはフランジバック（映像素子とレンズマウントの距離）を短くし、多様なレンズマウントアダプターを使用することで、さまざまなオールドレンズを装着可能にします。これにより、デジタル一眼レフでは困難だった多くのオールドレンズの使用が実現しました。

オールドレンズがデジタル時代に注目される理由は、その独特の描写力にあります。例えば、「ゴースト」や「フレア」といった光の乱反射が生み出す幻想的な効果は、現行のレンズでは意図的に再現することが難しい現象です。また、「ぐるぐるボケ」と呼ばれる背景の渦巻き状のボケは、ポートレートや花などの主題を際立たせる効果があり、オールドレンズならではの魅力を放っています。

オールドレンズを選ぶ大きな理由の一つが、コストパフォーマンスの良さです。新しいレンズに比べて手頃な価格で購入できるため、初心者からプロまで広い層に利用されています。また、マニュアルフォーカスの操作は、撮影技術を磨く上で有効な訓練となり得ます。

オールドレンズは、その独特な描写や操作感、そしてコストパフォーマンスにより、デジタル時代においても多くの写真愛好家に愛され続けています。

技術の進歩によって新たなレンズが登場する中で、オールドレンズは独自の地位を確立し、特定の表現を求める人々にとって貴重なツールです。これからも多くの人々がオールドレンズの魅力を発見し、新旧の技術を融合させながら、写真の可能性を広げていくでしょう。