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2024.03.09

最初にペットを撮ったクリエイター | Knowledge #21

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カメラが誕生して間もなくから、ペットの写真撮影は人々にとって特別なイベントの一つとなります。19世紀初頭にさかのぼるこれらの写真は、動物への変わらぬ愛情と、写真技術の進化を物語っています。

世界初の猫写真

写真の父とも言えるWilliam Henry Fox Talbot (ウィリアム・ヘンリー・フォックス・タルボット) が1833年に「ネガティブ・ポジティブ写真プロセス」を発明したことは、写真技術の大きな転換点となりました。Talbotはさまざまなイメージの複製を試みる中で、特に猫の詳細な絵の複製を行いました。これが、動物が写真に転写された最初の出来事の一つだとされています。

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©National Science and Media Museum | Talbotが複製した世界初の猫写真

撮影時間に耐えた忠実な犬

その後、写真技術はさらに進化し、1840年代には社会全体に広まるようになります。有名な作家 Mary Russell Mitford (メアリー・ラッセル・ミットフォード)は、1847年に自分の犬のポートレートを撮ります。長い露光時間が必要だった当時、犬を静かにさせるのが既に大きな挑戦だったでしょう。なんと、犬は数分間じっとして撮影に耐えました。しかし、顔が少しボケているため、表情は少し動いたかもしれません。

この出来事は、ペットが初めて写真スタジオの被写体となった記念すべき瞬間です。

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©National Science and Media Museum | Maryの愛犬の写真。よく見ると顔が少しボケている。

牛への感謝を込めた視線

また、タルボットと同時期の写真家のLouis Jacques Mandé Daguerre (ルイ・ジャック・マンデ・ダゲール)は、1842年の牛のダゲレオタイプを撮影しました。牛は、ペットではないかもしれませんが、人間が牛に対しても感謝の念を形にしたのではないかと想像できる一枚です。

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©National Science and Media Museum | Louisが撮影した牛の写真。牛が今より細く見えるのは気のせいだろうか。

ペットのある風景が日常へ

カメラ技術が進化するにつれて、写真の大衆化も進んでいきます。小型化したカメラが普及する20世紀初頭には、日常写真にもペットが表れるようになります。今のように気軽にペットの愛おしい一瞬を切り撮れる感覚は、この頃から徐々に生まれたのかもしれません。

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©The Morgan Library and Museum | 第一次世界大戦中に撮影された一枚。

このようにペットの歴史的な写真、一つ一つが写真技術の歴史の一部としても重要なアーカイブとなっています。そして現代に至るまで、これらのペットの写真は技術革新の証であり続けています。これらの写真一枚一枚に、動物への愛情と暮らしとの距離が映し出されています。

現在、cizucuでは2月22日『世界猫の日』を祝い〈猫の日〉をテーマとするフォトコンテストを開催しています。昔も今も、ペットへの愛は変わらず、それを写真に収める喜びもまた同じです。

この機会にぜひ愛おしい相棒の一枚を撮り残してみてください!

cover image by sato

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