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2023.11.19

ビートルズ最後の響き『Now and Then』とAI技術の融合 | Release #40

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ジョン・レノンがこの世を去って40年近くが経ちますが、今なおビートルズの音楽はファンの心にずっと響き続けています。彼らの最新にして最後の曲『Now and Then』の制作背景には、興味深いエピソードがあります。

ビートルズ最後の新曲『Now and Then』

『Now and Then』は、1980年にジョン・レノンが自宅で録音したデモテープをもとに、AI技術を駆使して制作されました。「最後のビートルズの曲」としてポール・マッカートニーのマーケティングチームは紹介します。

AI技術を活用して制作されるまでの背景

『Now and Then』の裏話は、約30年前の1990年代まで遡ります。

『Now and Then』は、1990年代の「The Beatles Anthology」プロジェクトの一環として検討されていました。実際にポール・マッカートニー、ジョージ・ハリスン、リンゴ・スターの3人が再集結し、3つの未発表のジョン・レノンの楽曲に新しいボーカルと楽器を追加して再制作し『Real Love』と『Free As A Bird』を発表します。
しかし、『Now and Then』についてはジョン・レノンのデモが扱いにくかったこととビートルズのメンバー間でも意見が一致せず、プロジェクトから除外されることになっていました。この時ポール・マッカートニーは、「最後のビートルズの曲は忘れ去れた、languished in a cupboard. 」と表明しています。

しかし、約20年が経た今、AIと機械学習の新しい技術発展により、『Now and Then』のデモからレノンの声を分離することに成功。ポール・マッカートニーとリンゴ・スターは曲を完成させることができました。

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© The Beatles 若き頃の自分とドラムを叩くリンゴ・スター

今はなきジョンとジョージが登場するミュージックビデオ

ミュージックビデオは、ビートルズのドキュメンタリー『Get Back』を手掛け、『ロード・オブ・ザ・リング』の監督であるピーター・ジャクソンが監修。ミュージックビデオの中では、1960年代のジョージとジョンの映像をモチーフに、AIによって生成された姿が流れます。紫色のタイツとサイケデリックなブラウスを着た若いジョージ、そしてカメラに向かって手を振り、面白おかしい表情で笑う若い頃のジョン。それぞれの特徴を活かして、80歳を超えるポールの隣に並ぶ若きジョンとジョージの姿は、ファンの私たちにとって少し奇妙で、ただ楽しい映像とは言えない複雑な喜びの気持ちにさせます。

スタジオにいるとき、ジョンの声が私たちの耳に入ってきたので、まるで彼が隣の部屋にいるかのように想像でき、再び彼と一緒に作業しているように感じ、喜ばしい感情でした。

(ポール・マッカートニー、BBCインタビューより) 

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© The Beatles ポールとリンゴの両隣に登場する若い頃のジョンとジョージ

倫理観が問われるテーマですが、私たちは既になきアーティストが残した声を通して、作品をつくれる時代に生きているんですね。声に限らず、写真も、画像も。

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