先日、SONYから〈SONY α7V〉が発表されました。同社のフルサイズ機のスタンダードモデルに位置するα7シリーズの、正当な後継機です。
スタンダード機という位置付けながら、その性能はかつての「標準」というイメージからはかけ離れるスペックとなっており、次世代機を象徴する一台となりそうです。
〈SONY α7V〉だけでなく、〈Canon R6 Mark III〉や〈Nikon Z6III〉など、各社のフルサイズスタンダード機の進化は目を見張るものがあります。
部分積層型CMOSセンサの普及
読み込み速度の高速化やローリングシャッター歪みの低減を図るために、有効なのが「積層型CMOSセンサ」です。さらには小型化や低ノイズ特性にも優れる高性能なセンサですが、製造コストが高く、各社のハイエンド機にしか搭載が許されていません。
そんな中で昨年、積層型の長所を部分的に取り入れながらコストを抑えた、「部分積層型CMOSセンサ」が登場しました。
〈Nikon Z6III〉を皮切りに、フルサイズ機のスタンダードモデルに搭載され始め、〈SONY α7V〉にも採用されています。
Photo by うらもん
ハイエンド機に迫る撮影体験へ
部分積層型CMOSセンサに加え、画像処理エンジの進化も下支えし、スタンダード機の撮影体験は数年前のハイエンド機に匹敵するものになりつつあります。
〈SONY α7V〉は最速30コマ/秒の連写が可能となり、またプリキャプチャ機能も搭載されました。同社のハイエンド機である〈SONY α9III〉の120コマ/秒とはまだまだ差があるものの、大抵の動体撮影において不足のない連写性能となっています。
Photo by masa
また、読み込み速度の向上により、EVFブラックアウトフリー化も実現しました。これも今までのスタンダード機にはなかった機能で、連写時でも被写体を目で追いかけやすくなり、さらなる撮影体験をアシストします。
動画も撮れるハイブリッド機
昨今のミラーレス一眼のトレンドとして、動画撮影にも力を入れられていることがあります。
〈SONY α7V〉の場合、一部画素数低下の制限はあるものの、4K120P動画が撮影可能になりました。さらに、7K動画をオーバーサンプリングした高精細4K動画に対応しており、動画機としても十分な一台に仕上がっています。
また、〈Canon〉のフルサイズスタンダード機である〈R6 Mark III〉は、オープンゲート撮影が可能になりました。イメージセンサ全域を使って動画撮影し、あとで切り取るこの手法は、縦型動画を撮るのにも向いています。
Photo by りょう
従来であれば動画専用機にしかなかった機能が、スタンダードモデルに展開されているのです。
カメラのオーバースペック化とどう向き合うか?
御三家と呼ばれるカメラメーカーのフルサイズスタンダード機について見てきました。 どの機種も非常にハイスペックで、ひと昔前のハイエンド機に匹敵する撮影性能を持っています。 この背景は、カメラ市場の縮小に伴う高単価化がひとつの要因だと考えられます。
新モデルが低単価で登場する可能性は低く、今後もスタンダード機のハイスペック化と価格高騰は避けられないでしょう。 これは、ユーザーによってはオーバースペックなカメラがエントリーモデルとなり得る危険性もあります。
Photo by masa
自分が撮影したい被写体をよく見つめ、カメラに必要なスペックを見極め、旧モデル品を購入する選択肢も持つべきでしょう。





