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Cover photo by 侑奈
『Read Your Photography』では、ただ見るだけでは出会えない、写真の裏側にある“物語”に目を向けます。cizucuが主催する〈photo poster project〉や、SNSを通じて集まった作品とともに、その一枚が生まれた背景やその人だけの時間を、cizucuマガジンが12言語に翻訳し、世界中へ届けます。
物語を心にしまっておくのもひとつの選択。けれど、その想いは誰かの心に静かに触れ、まだ見ぬ感動を生むかもしれません。
今回ご紹介するのは、世界中から集まった3名の作品です。
それでは、唯一無二の物語を、そっと覗いてみましょう。

Photo by 황성연
황성연
📷 SONY α7
📚 01
あるご縁で、鬱陵島へ写真旅行に出かけました。
翌日から撮影が始まる予定でしたが、他の作家たちのように明確な基準を持てず、「この人たちより下手に撮ってはいけない」というプレッシャーから、何を撮ればよいのか分からなくなっていました。
あてもなく海へ向かうと、泳ぐ少年たちに出会いました。何も考えずシャッターを切り、広い海を自分の部屋のように自由に泳ぐ姿を見て、「うらやましい」と感じました。
その瞬間、好きなものをただ写し、記録することこそ、自分の好きな写真だったと思い出しました。
考えすぎず、もっと自由に撮ろう。
この一枚をきっかけに、「上手に撮らなければ」という重圧から解放され、心を動かされた風景を自由に撮れるようになりました。私にとって、写真の原点を思い出させてくれた作品です。
cizucu編集部
広い海を自分の居場所のように泳ぐ少年。その自由な姿は、被写体として写るだけでなく、撮る人の心にかかっていた重圧までほどいていきました。「上手に撮らなければ」という意識の中で、何も計算せずに切った一枚が、写真を始めた頃の純粋な衝動を呼び戻してくれたのです。誰かと比べて正解を探すのではなく、自分が心を動かされたものを記録すること。少年たちの自由が撮り手自身の自由へと変わる瞬間を閉じ込めた、写真の原点を静かに思い出させてくれる作品です。

Photo by moments.and.moods
moments.and.moods
📷 APPLE iPhone 13
📚 02
あの日の動物病院は、空気が冷たく、落ち着かない雰囲気に包まれていました。家の猫が中でがんの化学療法を受けている間、私は待合室で、何もできない不安に押しつぶされ、息苦しささえ感じていました。
気を紛らわせようと周囲を見渡すと、少し離れた場所に飼い主と犬がいました。男性はうつむいてスマートフォンを見つめ、犬は冷たい床に伏せています。室内の光が顔を照らしていましたが、犬は落ち着きなく動くこともなく、あごを床につけ、穏やかで少し疲れた目でこちらを見つめていました。
その眼差しに、私は言葉にならない我慢と寄り添いを感じました。
犬は病気を理解できなくても、そばにいる人の体温や、「待つ」ということを知っているのかもしれません。その不安に凍りついた時間の中で、私はシャッターを切りました。
この写真が記録しているのは、犬と飼い主の姿だけでなく、行き場を失っていた当時の私の心でもあります。私たちは皆、この場所でひとつの希望を待っていたのです。
cizucu編集部
冷たい動物病院の床に伏せる犬の姿が、張りつめた空気の中に静かな時間を生み出しています。病気を理解することはできなくても、そばにいる人の気配や体温を感じ取り、ただ寄り添いながら待つ。その眼差しには、言葉にならない不安と、確かな希望が同時に宿っているようです。愛猫の治療を待つ撮り手が偶然見つめた一匹の犬は、他者の姿でありながら、そのときの自分自身の心を映す存在でもありました。冷たい床に落ちる光と穏やかな表情が、孤独な待ち時間の中にも、誰かと痛みを分かち合う温度があることを静かに伝えています。

Photo by kyusang.tif
kyusang.tif
📷 CANON EOS M50m2
📚 03
太陽の熱気がひときわ強かった夏の日、水面のきらめきを撮ろうと、カメラを持って出かけました。
私は普段、自然を撮るときには、できるだけ人物が写り込まないようにする傾向があります。ところがその日、水面の光を撮影していると、ひとりの人物が突然レンズの画角に入ってきました。
最初はいつものように、反射的にその人物を避けようとしました。けれど、よく見ると、ひとりの少年がたも網を手に、水の中をじっと覗き込んでいたのです。
その光景は、水の中できらめく星をすくい上げようとする子どもの好奇心や無謀さ、そして無邪気な心を見せてくれているように感じられました。
本当に暑い日で、カメラを持ち歩くのにもかなり苦労しました。それでも、この一枚のおかげで、その日は私にとって、どこまでもきらめく記憶として残る一日になりました。
cizucu編集部
水面に散らばる光と、たも網を手にした少年。偶然フレームに入り込んだ存在が、自然だけを撮ろうとしていた視線を、思いがけない物語へと導いています。水の中を覗き込む姿は、まるで無数の星をすくい上げようとしているかのようです。計画して生まれた構図ではないからこそ、そこには子どもの好奇心や無邪気さ、夏の日のまぶしさがそのまま残されています。厳しい暑さの中で出会った一瞬を、きらめく記憶へと変えてくれた一枚です。
いかがだったでしょうか。
ビジュアルだけでは語りきれない魅力に、私たちは目を向けていきたい。『Read Your Photography』は、写真の奥にある想いや感情に目を向け、ひとつの物語として受け取るための企画です。
写っているのは、ほんの一瞬です。けれどその奥には、確かに流れ続けてきた時間と、言葉にならなかった感情があります。
どうか写真を読むように、そして頁をめくるように、味わってみてください。
cizucuの〈Threads〉で、ふと投稿される “写真のテーマ” 。
そのテーマに合う “あなたの一枚” を、リプライするだけ。
参加条件はひとつ、cizucuのSNSをフォローです💙
ご応募いただいた作品の中から、
選ばれた方にはcizucu編集部より、メッセージをお送りいたします!
『Read Your Photography』では、cizucuが主催する〈photo poster project(ppp)〉の出展作品もご紹介しています。
pppは、あなたの国でも開催されているかもしれません。「写真が好き」という気持ちだけで繋がる出会いが、いま世界中に広がっています。

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ただ見るだけでは出会えない、写真の裏側にある“物語”に目を向けます。cizucuが主催する〈photo poster project〉やSNSを通じて集まった作品とともに、世界中へ届けます。