・『 静寂幽玄 』・ ・せいじゃくゆうげん・ 誰もいない空間に、音のない気配だけが漂う。 冷たい壁と、小さな非常口の灯り。 それは、現実の中にぽつりと浮かぶ、非現実のようでもあった。 人の姿はなく、時間の流れさえ感じられない。 ただ、そこに在るという事実だけが、 この風景に、静かな強さを与えていた。 壁に染みついた無数の痕跡。 照らされることのない言葉たち。 そんなものが、この空白の中で まるで“記憶”のように息づいている気がした。 この静けさは、寂しさではない。 むしろ、誰にも触れられない“安らぎ”に近い。 日々の喧騒を離れ、 ただ自分だけの時間に耳を澄ませたくなる―― そんな想いに、そっと寄り添う一枚。 📸 : Minolta a-sweet 🎞️ : 35mm Kodak Gold

