時の殻(習作) 午前10時から午後5時まで、4回に分けて皮をむきました。 かつては、流れていく時間が惜しくて、それをつなぎ止めようとしていましたが、今は時間を手にしながら、想像や実験をすることができるようになりました。十分に生きてみようと決心してからこそ、ようやく、逃げていく時間と同等に、あるいはその上に立っているような気持ちが芽生えました。 昨年頃から、時間を積層する方法によるレイヤー作品を始めました。今回の〈時の殻〉は、一日のうちの一部の時間を、そのまま一枚に収めた作品です。りんごは、流れていく時間を表現するのにとても優れた媒体でした。時間の経過に伴い、皮を剥いた果肉は褐変し、その時間をありのままに映し出します。そして、撮影者(作家)が皮を剥くという意図を与えることで、この流れが立ち現れます。絶対的な時間を、意図を通して演出した一枚だと言えるでしょう。その点は、先に述べた私の気持ちとも重なっています。今の時点で、最も自分らしく、自分自身の視点や考えが込められている作品だと感じているため、多くの方にお見せしたいと思いました。当然のことですが、興味深かったのは、どれだけ意図として見える部分を切り取り、編集したとしても、本質(果肉)は誠実に時間の影響を受け続けていたという点です。